日本消費経済新聞は、生活者優先時代を実現するため、消費者行政、消費者問題、企業の顧客対応の情報を全国に発信する専門紙です
 
ジャパンライフ問題 特設ページ 日本消費経済新聞
12
2018/02/06

日本消費経済新聞2222号(2018年2月5日発行)

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ジャパンライフ元社員から宣伝用資料入手

首相桜を見る会、二階幹事長も広告塔

 消費者庁から4度の業務停止命令を受け、事実上倒産したジャパンライフ(東京都千代田区、山口隆祥会長)元社員らから1月25日、顧客の説明会で使用する資料=写真=を入手した。安倍晋三首相から山口会長に届いた「桜を見る会」の招待状や、加藤勝信一億総活躍担当相(当時)と山口会長との会食、山口会長主催の二階俊博幹事長を囲む懇談会などが含まれていた。懇談会の参加者メンバーには、著名なジャーナリストや大手マスメディアの解説委員、編集委員なども掲載されている。これらの資料は毎月3回顧客を集めて開催される説明会で映し出されるスライドとして使用されるほか、社員が自由に印刷してファイルに入れ、高齢女性ら顧客を勧誘する際に提示し、同社を信用させるために用いられていた。大物政治家だけでなく、大手マスメディアの幹部や元幹部らも広告塔として利用されていた。(相川優子)

 

著名ジャーナリストや

大手マスコミ解説委員らも

 ジャパンライフは、100万円から600万円の磁気治療器を購入してレンタルオーナーになると、販売価格の6%を還元するとうたって、高齢女性を中心に多額の老後の資金をつぎ込ませてきた。レンタルしているはずの商品が大幅に不足している現物まがい商法だったが、業務停止命令を受けた後も、6%の名目を巧妙に変え、同様の契約を繰り返してきた。負債総額は約2405億円。金の現物まがい商法で破綻した豊田商事を上回り、安愚楽牧場に次ぐ戦後2番目の消費者被害になると見られる。

 被害者の多くが高齢の女性で、定期預金や保険などを解約して、老後の資産のほとんどをつぎ込んでいた。各地の弁護団には「老後の生活費がない。死ぬしかない」など、深刻な相談が寄せられている。全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会(石戸谷豊代表)は、被害者による破産申し立てに向け、精力的に準備を進めている。

 

衆予算委で大西健介氏追及

「知らない招待客もいる」安倍首相

 1月30日、衆議院予算委員会で希望の党の大西健介氏はこの問題を追及し、安倍首相に答弁を求めている。ジャパンライフが1回目の業務停止命令を消費者庁から受けたのは2016年12月16日。加藤大臣との会食や二階幹事長との懇談会はその直後に行われている。大西氏は、「重要閣僚や自民党ナンバー2の人と会食をし、『桜を見る会』からも招待される立派な人がやっているから大丈夫だろうと、おじいちゃんやおばあちゃんはだまされても不思議はない」と、総理の見解を求めた。安倍首相は「『桜を見る会』は、約1万3000人に招待状を出しているが、存じ上げている人ばかりではない」との答弁にとどめ、「何よりも消費者の保護を図ることが第一で、引き続き消費者庁で対応に万全を期す」と述べた。


「意図的に会ったことない」加藤大臣

資料掲載ジャパ社に抗議

 加藤大臣に対しては、大西氏は、加藤大臣との会食の資料が「返金撤回に使われた」ことへの見解を求めた。ジャパンライフの社内向け資料に、「加藤大臣と会食したというスライドを活用して、岡崎店で2件、1億5000万円の返金を撤回させることができた」とする記録があることを明らかにした。

これに対し、加藤大臣は「意図的に(山口会長に)会ったことは全くない」と答弁。「私どもが承知していない形で資料が掲載されていることについて、ジャパンライフに抗議している」と述べた。

 事実関係については、「1月13日にマスコミ主催の経営者の勉強会に出席し、あいさつをした」「2013年にマスコミの方との勉強会があるから話をしてくれということで出席した。その時に(山口会長に)最初に会った」と、説明している。


「ジャパ社主催、認識ない」

「与野党問わぬゲストに」二階幹事長

 大西氏は、山口会長主催の二階俊博幹事長を囲む懇談会の資料には「二階幹事長の顔写真とともに、だれもが知っているマスコミの解説委員クラスの顔写真と名前も載っている」ことを明らかにした。「元社員によれば、毎月、帝国ホテルで開かれているミレニアムの会」であるとも説明している。

 二階幹事長は国会答弁には立たないため、二階幹事長に取材を求めると、「マスコミ関係者がゲストを招いて時事を語り合う会との説明だった。これまで、与野党を問わずゲストが招かれているということで、会に出席した。毎月出席している事実はない。ジャパンライフの主催であるとの認識は全くなかった」と、幹事長室から回答がきた。

 

「雇用関係ない」時事

「橘氏に聞いて」毎日、日経

 マスコミ各社に対しても、資料に掲載されている解説委員らが、ジャパンライフが定期的に開催している情報交換会のメンバーか、いつから何回くらい参加し、趣旨、内容はどのようなものであったか、報道への影響があったか、について取材を申し入れた。

 これに対し、時事通信社社長室は「雇用関係は全くなく個人で活動され、報道への影響は全くない」と回答。特別解説委員で報酬は出ていないと説明した。毎日新聞社社長室広報担当は、この会に参加していたことは認め、「2人とも、(元朝日新聞政治部長の)橘優さんから誘われて出席したことがあります。詳しくは橘さんにお聞き下さいと申しております。ジャパンライフ問題に関しては適切な報道に努めております」と文書で回答した。

 日本経済新聞社広報室は、「旧知の橘氏から声をかけられ、お問い合わせの会に参加しました。詳細は橘氏におたずねください。会へ参加したことなどが当社の報道に影響を与えたことは一切ありません」と文書で回答した。

 

「取材目的で参加」NHK

1、2回目の行政処分ネットで配信

 消費者庁の4回の業務停止命令について、3回目と4回目は大手マスコミのほとんどが報じているが、1回目(2016年12月16日)を報じたのは、本紙が確認できた限りでは、日経と共同のみ。2回目(2017年3月16日)は、日経、朝日、毎日、読売、産経、共同、時事。テレビで放映されたのは、FNN、TBSのみだった。

 NHKには、なぜ、2回目の行政処分を放送しなかったのかも聞いた。ジャパンライフの被害者は高齢女性がほとんどで、レンタルされている商品が大幅に不足していることがテレビでもっと放映されていれば、被害の拡大が少しは抑止できたと考えられる。

 これに対し、NHK広報局は「解説委員はジャーナリストなどが集まる懇談会に取材を目的に参加していたもので、取材の個別の過程については回答しておりません。ジャパンライフをめぐるNHKの報道は、報道機関として自主的な編集判断のもと行っており、計4回にわたる業務停止のニュースは、すべて放送やインターネットでお伝えしています」と文書で回答している。

 

山口会長が食事代負担

借り作らないよう対応

 大手マスコミをすでに退社している参加者の中には、「懇意にしている橘さんから勉強会に来ないかと誘われ、参加した。政治家と意見を交換する貴重な場だった。山口会長が発言することはなく、ジャパンライフ主催であることは知らなかった。参加が可能なときに、10回ほど参加した。山口会長が食事代を負担していることを知り、品物を送った。行政処分を受けている会社だとは全く知らなかった。申し訳ない。政治の世界ではすべてを排除すると取材ができないため、身を投じて話を聞くが、トータルとしては借りを作らないようにしている」と話した人もいた。

 毎日や日経と同様に「橘氏に聞いてほしい」とのみ回答した人もいた。

 

朝日元政治部長橘氏

ジャパンライフ顧問

 では、元朝日新聞政治部長の橘優氏とは何者なのか。ジャパンライフ2016年会社案内では、消費者庁取引対策課元課長補佐と並んで、顧問として掲載されている。朝日新聞社に対して、橘氏がジャパンライフの顧問を務めていることに関して問い合わせたが、朝日新聞社広報部は「7年ほど前に退職しており、顧問をされているかについて弊社として把握しておりません」と回答するのみだった。

 独自のルートで橘氏の連絡先を突き止め、橘氏に都内で面会し、直接、話を聞いた。「(二階幹事長との懇談会が)こういう風に使われるとは予想もしていないことで、出席者にとっては心外だ。山口会長から今度は二階幹事長と懇談会をやるから、知り合いに声をかけてほしいと頼まれて声をかけた。この会は夕食の会で1回のみ、いわゆる朝食をとりながら懇談するミレニアムの会とは違う。お金は山口会長が出したのかもしれないが、出席者は山口会長がいわゆる主催者だという認識はなかったと思う」と釈明した。

 ミレニアムの会は、帝国ホテルで年に数回開催される政治家との懇談会で、山口会長が事務方を引き受けていると説明した。

 なぜ、ジャパンライフの顧問に就任したのかについては、「山口会長とは、30年近く前から政治家の会合などで顔見知りで、文化協会のスポンサーになるにあたって、仕事をしてくれと頼まれた。文化協会からは報酬が出ないので顧問という形でなにがしかの手当てをしたいという申し出を受けた。4年くらい前から昨年の7月まで代表理事をしていた」と経緯を話した。ジャパンライフが業務停止命令を受けていたことについても、「3回目の行政処分(11月17日)をNHKの報道で知って、びっくりした」と語った。

 

「お金は出してもらったが

主催とは思っていない」

 橘氏によると、今回の二階幹事長を囲む懇談会はミレニアムの会とは別ということだが、二階幹事長室の回答では、ゲストが与野党を問わず招かれる会ということで受けたと説明しており、継続している懇談会との認識だ。ジャパンライフ元社員は、「マスコミ関係者との情報交換会は継続的に行われ、スライドが他の大物政治家の場合もあったが、常連で出ているマスコミ幹部もいた」と、何度も同様の別バージョンのスライドが作られていたと話す。ミレニアムの会かどうかは別として、山口会長が食事代を負担して政治家を招く、ほぼ同様のメンバーによる情報交換会が継続的に行われていたようだ。

 橘氏は、ミレニアムの会の参加メンバーで山口会長に何回かお返しの会食をしたこともあると説明する。お金を出してもらっていたことは認識していながら、「主催とは思わなかった」という感覚は、ある種タニマチ的でもある。大物政治家と変わらず、脇が甘い。

 高齢女性が老後の資産のほとんどをつぎ込む深刻な消費者被害が出ている。社員の中にも、だまされて勧誘してしまい、自ら多額の出資した人もいる。山口会長が政治家との関係が深く、宣伝用スライドで著名なジャーナリストが出てくることで信用してしまった人も少なくない。ジャパンライフは、4度の業務停止命令を受けた後も、顧客に「的外れな消費者庁の業務停止命令、思い込みの報道」などと説明し、いまだに「倒産はしていない」と主張している。これだけ多額の資産をつぎ込まされても、マインドコントロールから脱せない高齢女性が多数いる。

 業務停止命令を受けた事業者から、食事代や会場代を出してもらって継続的に情報交換会に参加していたとしたら、「主催者とは知らなかった」ではすまされないのではないだろうか。橘氏に誘われたとしても、自らが判断して出席したはずだ。参加していたジャーナリストやマスメディアの解説委員らは説明責任があるのではないか。


16:59
2018/02/06

日本消費経済新聞2222号(2018年2月5日発行)

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消費者庁保身のために

被害拡大させた

 同日の衆議院予算委員会で、大西健介氏は、消費者庁取引対策課の課長補佐が顧問として天下っていたジャパンライフの問題について、「消費者を守るべき消費者庁が保身のために被害を拡大させたという、消費者庁の存在意義にかかわる大問題」と追及した。①天下りによる初動の遅れ②立入検査から処分までの遅れ③複数の大物官僚OBや大手マスコミOBの関与④広告塔として利用された大物政治家やジャーナリストらの存在⑤処分後も業務停止命令違反に対し刑事告発の有無を公表しない消費者庁の後手後手の対応-などで、被害を拡大させたと指摘。「国家賠償を求められてもおかしくない」として、再度、刑事告発をして公開することを求めたが、江崎鐵磨消費者担当相は「捜査に支障をきたすおそれがあるため答弁を控える」と、これまでの答弁を繰り返すにとどまっている。

元取引対策課課長補佐の天下り

初動遅らせ、手心加えた疑い

 消費者庁が同社に文書で行政指導をしたのは2014年9月と10月。昨年末の事実上の倒産まで3年以上かかっている。大西氏は「迅速かつ厳正な処分を行っていれば、被害がここまで拡大することはなかった」と指摘した。

ジャパンライフの顧問として天下った消費者庁取引対策課元課長補佐が、ジャパンライフを担当していたのは、2014年4月から2015年2月ころまで。2014年8月にこの課長補佐がジャパンライフに定年後の再就職を要求したことが、再就職等監視委員会で求職規制違反に認定されている。大西氏は「2014年9月と10月に行政指導にとどめたのは、初動で手心を加えた疑いがある」と指摘した。

立入検査から15カ月

1回目の処分あまりに遅い

さらに、行政処分には、調査の着手から、立入検査、処分、公表まで原則7カ月というルールがある。立ち入り検査から公表までは3カ月。にもかかわらず、この案件は2015年9月10日の立入検査から1回目の2016年12月16日の行政処分まで15カ月を要している。大西氏は「これはあまりにもかかり過ぎ、こんな悠長なことをしていたら、立入検査をしても、その後証拠隠滅が図られてしまう」と問題視。「本来行政処分すべきものを行政指導に甘くし、さらに、消費者庁は保身のために被害を拡大させたのではないか」と追及した。

 

官僚OB、マスコミOB関与

大物政治家らも広告塔

江崎消費者担当相が「元職員の再就職が行政処分の時期や内容に影響を与えた事実はないと聞いている」と答弁したのに対し、大西氏は「誰が見てもおかしい」と反論。中嶋誠元特許庁長官や永谷安賢元内閣府国民生活局長、橘優元朝日新聞政治部長らが、同社顧問に名を連ねていることも指摘し、大物政治家や著名なジャーナリストらも広告塔として使われている問題を追及した。

処分後の対応問題

刑事告発を再要請

大西氏は、行政処分後の消費者庁の対応のまずさにも言及している。ジャパンライフは、2回目の行政処分後には同社ホームページに「消費者庁の処分はずさんな調査と一方的な思い込み」と掲載し、12月22日付の山口会長名の顧客向けお詫び文に「度重なる消費者庁の的外れの業務停止命令」などと記載していたと報告。「消費者庁の処分など、聞く気がない。消費者庁はなめられている」として、「早く刑事告発していれば、ここまで被害が広がることはなかった」と述べた。過去に消費者庁は刑事告発を公表したことがある点も指摘している。

ジャパンライフ問題国会追及
2017年2月から、今回で7回目

ジャパンライフ問題は国会では、2017年2月7日、衆議院予算委員会で井坂信彦氏(当時民進)が、消費者庁元課長補佐の天下り問題を初めて追及して以降、参両院で6回取り上げられている。(衆議院消費者問題特別委3月30日大西健介氏(当時民進)、参議院消費者特4月5日矢田稚子氏(民進)、参議院財政金融委4月11日大門実紀史氏(共産)、衆院消費者特委4月18日井坂信彦氏(当時民進)、参議院消費者特委5月24日大門実紀史氏(共産))。今回の質疑は7回目になる。


14:21
2018/01/26

日本消費経済新聞2221号(2018年1月25日発行)

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「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」発足
被害者による破産申し立てへ
 消費者庁から 4度の業務停止命令を受け、 事実上倒産状態にあるジャパンライフ (千代田区、 山口隆祥会長) による被害救済に取り組むための全国組織 「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」 (石戸谷豊代表) が1月 20 日、 立ち上がった。 被害回復のための資産の散逸防止には破産申告が最も有効として、 被害者による破産申し立てに向け、 全国で足並みをそろえて行動していくことを決めた。 全国各地での弁護団の立ち上げを進め、 当面は弁護団連絡会と先物取引被害全国研究会が連携しながら、 資産の散逸防止や責任追及のための検討を急ぐ。(相川優子)

資産の散逸防止、責任追及
全国で連携して対応検討
 ジャパンライフは、 100 万円から 600 万円の磁気治療器のレンタルオーナー商法 (預託商法) を展開し、 販売価格の年6%を還元するとして、 高齢者らから多額の資金を集めてきた。 レンタルしているはずの商品が大幅に不足しているとして、 消費者庁から業務停止命令を受けた後も、 商品を試着して宣伝する活動手当、 リース債権譲渡などに年6%の名目を次々変更し、 同様の契約を繰り返してきた。 
 ジャパンライフ被害対策弁護団は、 中部、 神奈川、 福井、 秋田、 岡山、 広島、 兵庫、 東京の8つが組織されている。 弁護団がない地域でも悪質投資被害の救済に取り組む 「先物取引被害全国研究会」 (大植伸代表幹事) の弁護士が、 相談窓口機能を担っている。 
 同日、 ジャパンライフ被害対策中部弁護団 (杉浦英樹団長) の呼びかけで、 ジャパンライフによる被害の救済に取り組む全国の弁護士約 20 人が名古屋市内で、 会議を開いた。 
 杉浦団長は、 昨年8月に実施した 110 番では相談が1件に過ぎなかったが、 9月末に弁護団を立ち上げてホームページで呼びかけ、 12 月 20 日に異例の刑事告発に踏み切ったことで、 12 月 25 日の 110 番は電話が鳴りっぱなしで対応しきれない状況になったと、 報告した。 各地の弁護団や先物取引被害全国研究会が実施したジャパンライフ全国一斉 110 番には、 679 件の相談が寄せられ、 ようやく深刻な被害実態が表面化してきた。 

「老後の資金、生活費ない」「死にたい」
深刻な被害実態ようやく表面化
  「預金や保険を解約して老後の資金をすべてつぎ込み、 生活費がなくてどうしていいかわからないなど、 深刻な相談が多い」 「中間勧誘者がどうしてくれるんだ、 金を返せと責められ、 昨日お風呂で亡くなっていたという悲惨な状況もある」 「ジャパンライフに勤務するシングルマザーは給与のほとんどをジャパンライフにつぎ込まされ、 何度も死にたいと繰り返し、 長時間説得した」 など、 深刻な相談内容が報告された。 
 契約額も最高額は6億円と高額。 70 歳、 80 歳代の高齢者がほとんどで、 90 歳を超える人の相談も寄せられている。 わずか半年で 1000 万円を超える契約をさせる、 4度目の業務停止命令を受けた 12 月 15 日に契約をさせているケースもあった。 
 東京弁護団には多くの相談が寄せられているが、 地方からの相談がほとんどで、 被害者を直接抱える状況に至っていない。 被害者が地方に偏り、 各地の弁護団で取り組みに差があることから、 全国組織は弁護団連絡会とした。 情報を共有し矛盾がないようかじ取りをしていく。 
 破産申し立ては、 ジャパンライフ本社がある東京地裁に行うことになるが、 破産を申し立てる被害者をどう募り、 東京地裁が決定する予納金をどう確保するかが課題だ。 
 2009 年に破綻した L&G (円天) は被害総額 1260 億円、 債権者数約3万 7000 人だったが、 会社に対する破産申し立てのための予納金は 2000 万円 (別に個人に対する破産申し立ても行われその予納金は 1000 万円) とされた。 ワールド・オーシャン・ファーム (08 年、 被害総額 849 億円、 1500 万円)、 近未来通信 (07 年、 被害総額 400 億円、 3000 人) は 1000 万円だった。 
 ジャパンライフは負債総額約 2400 万円超とされ、 予納金は数千万円になると見られる。 国が費用を立て替える 「国庫仮支弁」 の制度もあるが、 この制度が適用された先例は、 現金・預金の差し押さえがはっきりしていた1件にとどまる。 
 ジャパンライフの不動産は、 税務署や厚生労働省などの差し押さえが進んでいるが、 その直前に会社名義の不動産を売却し、 親族の別会社に所有権を移転させている情報なども弁護団に寄せられている。 
 事務局長を務める大迫恵美子弁護士は、 「被害者の受け皿になることを最優先で進めるが、 財産の散逸をどれだけ防ぐことができるのか。 どうやって、 真の責任者の責任を追及できるのかが最大の課題。 被害者が一番納得できる最適な方法を検討していきたい」 と話している。

11:53
2018/01/26

日本消費経済新聞2221号(2018年1月25日発行)

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悪質な資産の散逸は犯罪
石戸谷豊・全国弁護団連絡会代表の話
 大変深刻な相談が多い。 老後の資産をすべてつぎ込み生活費がない、 どうしていいかわからない、 落ち込んで会話もできない、 もう死ぬしかないなどの訴えに、 長時間対応し説得している。 被害額も非常に高額で、 高齢者がほとんど。 生きる望みを失って、 愕然としている。 
 ぜひ、 立ち上がって、 相談してほしい。 家族や周りの人は責めるのではなく、 本人が置かれた状況を支援する側に立って、 相談につなげてほしい。 
 本来被害者に帰属すべきものを勝手に売却したり、 横流しすることは、 許されるものではない。 ジャパンライフに対しては 「極めて悪質な財産の処分行為は犯罪になる恐れがある」 ことを警告しておく。 
 預託法は、 豊田商事事件を契機に制定されたが、 安愚楽牧場に次いで、 ジャパンライフと2度も豊田商事を上回る大規模被害をもたらした。 
 被害防止に機能していない。 被害救済に向けた当面の作業が終わった段階で、 預託法見直しを真剣に検討していく。

11:52
2018/01/26

日本消費経済新聞2221号(2018年1月25日発行)

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ジャパンライフ元社員が証言
債務超過知らせる通知
顧客に届かぬよう工作
 ジャパンライフは消費者庁の措置命令に従わず、 債務超過であることを解約のおそれがある顧客に通知しないよう、 わざと間違った住所に送ったり、 会社に協力的な活動者にまとめて送るよう本社が指示していたことが、 元社員の証言で明らかになった。 高齢者の顧客が読めないように、 わざと一番薄いモードでコピーをして送付し、 消費者庁の指摘で再度印刷し直して再発送していたことも確認できた。 解約を阻止するよう本社が求め、 解約阻止額を各店舗の入金実績として競わせ、 返金阻止額の1%の報奨金を出す社内規定も整備されていた。(相川優子)

本社が指示、間違った住所に送付
読めないよう薄く印刷
 消費者庁は同社に対し、 4度の業務停止命令を出しているが、 2017 年3月 16 日に2度目の業務停止命令を出した際に、 預託法に基づき 「レンタルしているはずの一部商品が大幅に不足しているにもかかわらず、 故意に告げていなかった」 「2014 年度の賃借対照表で負債額を過少に記載していた」 違反を認定。 ①違反認定の内容をすべての預託者に通知し、 その結果を4月17 日までに消費者庁長官に文書で報告する②公認会計士による監査を受けその結果を5月1日までに消費者庁長官に文書で報告する③監査結果を預託者全員に速やかに書面で通知し、 通知した結果を5月 31 日までに報告する―などの措置命令を出していた。 
 これに対し、 ジャパンライフが3月 31 日付で送付したのは、 消費者庁が認定した違反事実が誤りであるかのような措置命令とは真逆の内容の文書。 5月 13 日付で送付されたのは、 「3月度は初の月間売上 30 億円達成できました」 「4月度はさらに売り上げを更新」 などと説明する驚くべき内容の文書だった。 一覧表に赤字で 「3月度売上実績 30 億 558 万円」 「4月度 35 億 5849 万円」 などと記載されていた。 
 その後、 消費者庁の指導で、 ようやく8月 28 日付で 「2015 年度末時点の純資産額が、 約 266 億円の赤字」 であること、 9月 11 日付で 「2016 年度末時点の純資産額が約 338 億円の赤字」 であることが通知されるが、 この通知を顧客に届かないよう本社が指示していたことが分かった。 
 これらの通知が届くと解約のおそれがある、 不安を感じるおそれがある顧客の住所を、 社員の住所など別の住所に差し替えて、 戻ってくるようにした。 さらに、 会社に協力的な活動者のところに、 解約のおそれがある顧客の通知も何通かまとめて送って、 直接本人に届かないようにした。 「消費者庁にばれないよう、 少人数に分けて活動者に送った」 と元社員は証言する。 
 通知の内容が読めないよう、 コピー機の一番薄いモードで通知文書をコピーして発送したこともあった。 「顧客から 『読めない』 『全く見えない』 などのクレームが入り、 消費者庁からも突っ込まれ、 結局再印刷して再発送し、 2度手間だった」 と元社員は振り返った。

解約阻止を本社が指示
金券で解約思いとどまらせる
 債務超過の通知が顧客に届き、 解約希望が出始めると、 解約を阻止するよう会社から指示が出ていたことも、 社員の証言で明らかになった。 1カ月解約を遅らせた場合に、 100 万円につき1万円の金券 (ジャパンライフの商品を購入できる) を出した。 1000 万円の解約を1カ月ずらすと顧客は 10 万円分の金券がもらえる仕組みだ。 社員に対しても、 返金を取り下げるとその額の1%の報奨金がでる社内規定もあった。

社員に返金阻止額1%の報奨金
社内規定で明記
  「勝手に報道しているだけで、 ジャパンライフは悪くない」 「今まで問題なくやってきたから大丈夫」 ―。 何度も顧客宅に足を運び、 こう説得した。 返金を阻止すれば、 その返金阻止額が店舗の入金実績になった。 報奨金も出る。 社内規定の名称は、 「返金取下げ継続奨励金支給規定」。 返金取り下げに協力したチームリーダーやチームメンバーに、 返金を取り下げた額の1%を報酬として支払われる。 3000 万円をチーム5人が協力して返金を取り下げさせた場合は、 全員に6万円ずつ計 30 万円が支給されることが明記されていた。

「内心、センターに駆け込んで」
弁護士、センター介入で解約できた
 しかし、 「毎日ストレスを感じながらも、 消費生活センターに駆け込んでほしいと願っていた」 とも元社員は本音を明かす。 消費生活センターがあっせんに入る、 あるいは、 弁護士に解約を依頼した場合は、 すべて担当が本社に変わり店舗では対応できなくなる。 その場合は、 ほとんど解約に応じていたのではないかと元社員は話した。 
 2017 年 12 月 15 日、 消費者庁が4回目の業務停止命令を出したときの会見で、 「返金取下げ継続奨励金支給規定」 の存在が明らかにされた。 日付は7月 22 日付、 9月 26 日付。 2017 年 11 月 17 日に3回目の業務停止命令を出したときに迷惑解除妨害の違反を認定しているが、 本来はこのときに公表すべき資料だった。

天下りで対応後手
消費者庁の責任大きい
 2回目 (2017 年3月 16 日) の業務停止命令の違反認定は、 本来は1回目 (2016 年 12 月 16 日) に行なわれてしかるべき内容だ。 そもそも、 消費者庁は粉飾決裁だと自らの処分の中で指摘しておきながら、 このような事業者に対し、 措置命令で、 公認会計士等による監査を受け報告を求めたこと自体に問題があった。 粉飾決済を消費者庁自ら違反認定し、 現物まがい商法でレンタルオーナーとレンタルユーザーの数が大幅に見合っていないことを公表して分かりやすく周知していれば、 これほど被害を拡大させることはなかったはずだ。 
 2015 年9月 10 日の立入検査時に消費者庁取引対策課に在籍していた公認会計士が 2016 年7月に契約の任期が切れて退職しているが、 せめて、 この間に厳正な行政処分を行うべきだった。 消費者庁取引対策課元課長補佐や複数の大物官僚 OB が同社の顧問に天下ったことで、 この事案への立入検査自体が遅れ、 それ以降の行政処分も遅れた可能性を本紙は指摘し続けてきた。 安愚楽牧場の破たんを受けて、 政省令を改正した直後からしっかり取り組み、 厳正処分、 業務停止命令違反による刑事告発を早急に行うべき案件だった。 
 行政処分は時期、 内容、 周知が適切であって初めて意味をなすが、 消費者庁は帳尻を合わせるかのような後手後手の対応に終始してきた。 ここまで被害を拡大させた消費者庁の責任は大きい。

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