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ジャパンライフ問題 特設ページ 日本消費経済新聞
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2019/12/09new

日本消費経済新聞2283号(2019年12月5日発行)

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ジャパンライフお中元リスト
衛藤晟一消費者担当相の名前
 ジャパンライフ元山口隆祥会長の 2015 年お中元リストに、 衛藤晟一・消費者担当相の名前が掲載されていたことが分かった。 広告塔として各店舗の説明会などでスライドに映し出されて紹介されていた安倍晋三首相、 二階俊博自民党幹事長、 加藤勝信元一億総活躍担当相、 著名ジャーナリストや大手マスコミ解説委員をはじめ、 麻生太郎財務相、 菅義偉内閣官房長官ら与野党の政治家を含む 145 人の名簿が掲載されている。(相川優子)

誰と会ったか言う人
「最初から要注意」
 衛藤消費者相は 11 月 29 日の閣議後会見で、 山口元会長への総理主催 「桜を見る会」 招待状が有力な広告塔として使われていた問題を問われ、 「(桜を見る会招待状で) 信用したという方もおられたということだが、 個人的に言えば、 誰と誰と会いましたと名刺を出すような方とか、 こんな人と会いましたと言う方は何かちょっとおかしいということがあるから大体そうする」 「私としては、 最初からむしろ要注意と思って普段から接している」 と発言した。  
 インターネット上では、 「だまされた人が悪いと言っているようだ」 などの批判が相次いでいる。 

被害実態正しく認識を
エステ、食事会、社員が買い物送迎も
 衛藤消費者相は、 ジャパンライフの被害者が 「お金、 健康、 孤独」 の3 K と呼ばれる高齢者が抱える3つの不安に巧妙につけ込まれ、 生涯をかけて貯えた老後の資金を根こそぎ奪われた実態を全く把握できていない。 
 店舗に行けばエステをしてもらえ高額な磁気治療器が無料で体験できる、 月3回ある説明会では弁当も出る。 毎月山口元会長や山口ひろみ元社長がホテルや旅館で開く説明会では、 食事のほか抽選会もある。 高額契約をしてポイントが貯まると鹿児島県霧島市にある迎賓館や海外旅行にも連れて行ってもらえる、 東京の本社見学やスカイツリーなど東京観光もある、 毎年国内で開かれる国際大会では有名芸能人のショーも行われた。 地方に1人、 あるいは夫婦だけで残された高齢者がつけ込まれる巧妙な勧誘が行われていた。 
 社員が家に何度もやってきて畑仕事を手伝ったり、 買い物や病院に行くときに車に乗せて連れて行ってくれる。 そして、 どこに預けても利子はほとんどつかずマイナンバー制度で税金で取られてしまう、 ジャパンライフに預ければ (名目は磁気治療器を購入してレンタルする) 6%の配当金が毎月もらえる (100 万円預ければ毎月 5000 円) と言葉巧みに誘う。

高齢者の3つの不安につけ込む
だます側の巧妙さ周知を
 そして、 会社を信用させるための“決め手”に使われたのが首相から届いたとする 「桜を見る会」 の招待状や、 大物政治家との食事会、 山口元会長が主催したとする大物政治家や著名ジャーナリストらとの懇談会などだ。 これらは、 顧客だけでなく、 何より勧誘する側の社員を信用させた。 
 一度契約してしまうと、 多くの高齢者が銀行や農協の定期預金を解約してあり金をつぎ込まされ、 次は保険見直しのための専門の職員がやってきて保険まで解約させられる。 東日本大震災後の東電補償金や、 家屋を流されて入ってきた保険金が狙われた。 普通預金もほとんど残っていない人も少なくなかった。 被害者数は約 7000 人、 被害額は約 1800 億円と見られている。 
 約 2000 億円の消費者被害が出た豊田商事事件では、 勧誘者が巧みに近付き 「お父さん、 お母さん」 と呼んで掃除や洗濯までして信用させていたが、 その実態が伝えられず被害者は 「欲ボケ老人」 と揶揄 (やゆ) された。 本来消費者庁は、 だます側がいかに悪質で巧妙かを広く伝える必要があるはずだ。 消費者相としての資質を問われる発言と言わざるを得ない。 
 消費者庁は、 行政処分公表時も最低限の情報しか出さず、 情報開示請求をしても一切明らかにしない。 
 衛藤消費者相は、 なぜ、 最初から要注意で接しなければならない山口元会長のお中元リストに名前が掲載されているのか。 お中元を受け取っていたのか。 まずは、 説明責任を果たすべきだ。

17:09
2019/12/06

日本消費経済新聞2283号(2019年12月5日発行)

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ジャパンライフ問題を総括①
なぜ被害拡大防げなかったのか
安愚楽牧場の教訓生かせず
 ジャパンライフの消費者被害額は約 1800 億円。 1987 年に破綻した豊田商事は約 2000 億円。 2011 年に破綻した安愚楽牧場は約 4200 億円。 消費者庁は、 安愚楽牧場の破綻で国家賠償請求訴訟を提起されながら、 なぜ、 過去の教訓が生かせず、 またしても甚大な消費者被害を生じさせてしまったのか。 今もまた、 同様の大きな消費者被害が発生しようとしている。 これまで取材から問題点を提起する。(相川優子)

2014年9月、10月なぜ行政指導
「本件の特異性」、課長レク
天下った元課長補佐が作成
 2017 年4月 18 日の衆議院消費者特で、 国民民主党の井坂信彦氏が 「本件の特異性」 と題する文書の存在を明らかにして以降、 独自に取材を進めてきた。 「本件の特異性」 と題する文書、 独自に入手した課長レク資料、 審議官レク資料ともにジャパンライフに天下った水庫孝夫消費者庁取引対策課元課長補佐が作成したものだった。 
 ジャパンライフへの相談件数は 2010 年以降毎年 140 件を超える。 なぜ、 2014 年9月と 10 月に行われた行政処分は、 指導にとどまったのか。

「処分は指導が適当」
元課長補佐が報告書
 まさに、 ジャパンライフに天下った水庫元課長補佐がジャパンライフへの相談内容の調査を担当していた。 2014 年7月 31 日付で、 水庫名で 「事前調査報告書」 を着任して間もない山田正人課長に提出している。 
 結論は、 「記載不備、 不交付及び書面閲覧不備の疑いを持って処分乃至は指導を行うことが適当」 とされていた。 「業務及び財産の状況」 を記載した書面 (場合によっては、 早急に作成するよう指示の上) を確認することが一方では急務ともしている。 
2012 年度以降の 335 件の相談を対象にしているが、 消費者聴取は2件 (本人1件、 本人以外1件) しか行っておらず、 「相談内容からは行為違反は確認できなかった」 としている。 

天下りで手心加えたのか
2013年10月調査報告と差
 2013 年 10 月に、 別の職員が調査した 「予備調査報告書」 が当時の山下隆也課長に提出されている。 この時点で苦情相談の大半がレンタルオーナー契約等に関するもので、 ジャパンライフが 「高齢者を勧誘し、 高配当をうたい、 多額の投資をさせている」 ことを指摘。 契約金額が数百万から数千万、 1億円近くに及び破綻した場合は甚大な被害が予想されるとして、 「預託法の処分事案として本調査に移行することとしたい」 と報告されている。 
 報告内容にあまりに違いがある。 水庫元課長補佐が違反行為なしと報告したこと自体に天下りの影響がなかったのか、 今後の調査が求められる。

「行為違反はない」 
自ら2つの文書で説明
 水庫元課長補佐が作成した 2014 年7月 31 日付課長レク資料によると、 水庫元課長補佐は2つの文書を用いて、 課長に説明をしている。 「事前調査報告書」 と、 要回収とした 「本件の特異性」 と題する文書だ。 レク資料を含め、 すべて水庫元課長補佐が作成したことが確認できた。 
 本件の特異性と題する文章は、 検証方法の選択を課長の判断にゆだねているが、 「※行為違反なしを前提」 であることが強調されている。 「※政治的背景による余波懸念」 とも記載されているが、 具体的な内容の記載はない。 
 水庫元課長補佐は、 課長レクの中で、 事前調査では預託法上は、 書面交付や書面不備、 閲覧不備の疑いにとどまり、 特商法上も含め行為違反の確認は取れなかったと報告したとしている。 担当弁護士から立入検査の方がリスクが低いと助言されたと記載しているが、 違反行為がない場合に、 立入検査に入ることを弁護士が是とするのだろうか。 この点も疑問が残る。

担当者交代で再調査
立入検査に方針転換
 山田課長はなぜ、 指導を選択したのか。 一連の取材の過程で、 当時山田課長に話を聞いている。 「水庫課長補佐からは、 預託法は 2013 年9月に政省令を改正し家庭用治療器を適用対象に追加したばかりのため、 ジャパンライフにまだ自覚されていない、 特商法は違反認定する事実がないと報告を受けた。 行為違反がないにもかかわらず立入検査をすることに違和感があった」 と説明。 このために、 まずは指導が適当と判断したという。 
 しかし、 水庫元課長補佐が 2015 年3月末に退官して以降、 方針は大きく転換されていた。 立入検査を決めたのも山田課長だった。 
 水庫元課長補佐が退官するのに伴い、 3月以降担当者が交代。 4月になり全く報告の内容が異なり指導もされていないという報告を受けた。 「方針を転換し立入検査の準備を進めていたところだった。 政治的圧力はなかった」 とも話した。 
 立入検査に入る矢先に突然、 異動になっている。 

立入検査から処分までなぜ1年3カ月
ジャパンライフ立入検査で
元課長補佐の顧問契約書
 2015 年9月 10 日、 消費者庁はジャパンライフの立入検査に入るが、 ここで水庫元取引対策課長の顧問契約書が見つかった。 よりによって自らが指導してきたはずのジャパンライフの顧問として天下っていた。 
 消費者庁には激震が走ったはずだ。 5カ月も調査し天下りを認定しなかった問題は後述する。 

支離滅裂 1回目の業務停止命令
なぜ3カ月、勧誘目的不明示
 最大の問題点は、 立入検査から 2016 年 12 月 16 日の 1 回目の行政処分まで 1 年 3 カ月もかかり、 勧誘目的不明示等しか違反を認定しない業務停止命令3カ月という支離滅裂な内容だったという点等。 違反は、 預託法の書面記載義務違反、 特商法は勧誘目的不明示しか認定されていない。 腰痛も治るなどと言って勧誘している事例が含まれているにもかかわらず、 不実告知も認定されていない。 しかも違反認定事例は 2015 年 1 月~3 月だ。 

レンタル収入、支払の10分の1
立入検査で把握できたはず
 ジャパンライフの破産手続きの中で、 ジャパンライフの預託商法は 2003 年から始まり、 最初から自転車操業の構造だったことが明確にされている。 1回目の債権者集会 (2018 年 11 月 12 日) では、 2017 年後半にはレンタルオーナーに支払うべき金額のほぼ 10 分の1しかレンタルユーザーの収入がなかったことを報告されている。 
 2017 年3月 10 日の衆院消費者特で国民民主党の大西健介氏が、 「2015 年 10 月には現物まがいであることを知っていた」 「毎月のレンタル収入 5000 万円、 レンタルオーナー支払額5~6億円、 新規契約少なくとも 20 億円、 被害額約 1400 万円と想定していた」 という数字を質問の中で明らかにしているが、 まさにこの数字を立入検査からほどなくして消費者庁は把握していたと思われる。 
 執行担当者であれば、 胃が痛く夜も眠れない数字のはずだ。 しかし、 1年3カ月もかけ、 不実告知も認定せず3カ月の業務停止にとどめたのは、 あまりに問題がある。 これで幕引きを図ろうとした、 あるいは、 一定期間恣意的に放置したのではないのかと疑いたくなるほどお粗末だ。 しかも、 自転車操業であることも公表していない。 

内規に7カ月ルール
立入検査から公表まで3カ月
 当時は、 内部規定に着手から公表まで7カ月ルールがあると指摘された。 2014 年度以降業務停止命令3カ月の 26 業者の分析を求めたところ、 1年超1事業者、 6カ月から1年以下6事業者、 6カ月以下 19 事業者だった。 
 7カ月ルールでは、 「立入検査から公表までは3カ月」。 1カ月対応が遅れれば、 被害額が何十億円も広がる最優先で取り組む事案だったはずだ。 消費者庁は一体何をやっていたのか。 

レンタル事業の収支
破綻後も黒塗りのまま
 情報開示請求で、 同日記者に配布された説明資料と、 ほぼ同様の資料の存在が確認された。 
 1枚だけ多く、 最後の 22 ページ目に 「レンタル事業における売上等」 として、 レンタルの売上高とレンタルオーナーへの支払額が記載されている。 本紙記者が初回記者会見時から質問し続けてきた数字が書かれていると見られる。 破産手続き開始決定後に2度目の開示請求をしたが、 明らかにされないままだ。 不服審査請求も棄却された。 悪質性を明確にできる相応の処分をし、 この時点でこの数字を公表し、 多くのマスコミが報道していれば、 被害はここまで拡大することはなかった。 

5カ月かけなぜ、天下り認定しなかったのか
「自らの調査で天下り認定できた」
再就職監視委への開示請求で明白
 消費者庁は、 天下りを認定することが可能だったにもかかわらず、 5カ月も調査して天下りは認定できなかったと報告している。 内閣府再就職等監視委員会の調査では2カ月弱で天下りを認定している。 
 しかも、 消費者庁は違反を認定できなかった理由に、 「現職中に元課長補佐がジャパンライフトップに面談を求める決裁文書 (伺い書) を入手したが、 この決裁文書はジャパンライフ職員が元課長補佐から受けたストレスを解消するために偽造したと供述し、 その可能性は否定できないものだった」 と、 あきれた内容を挙げていた。 
 本紙が内閣府再就職等監視委員会に情報開示請求をした結果、 伺い書は2通あった。 面会日の変更を求めていた。 同委調査報告書には 「消費者庁が調査でいた資料のみで違反認定は可能」 と明記されていた。 人事担当者が3回目のメールで進行を察知し違反しないよう指導すべきだったとも指摘している。 
 消費者庁が顧問に就任していた事実を内閣府再就職等監視委員会に報告したのは、 1カ月後の 10 月7日。 消費者庁が国家公務員法に基づく 「任命権者調査」 に入り、 「違反を認定できない」 とする調査結果を報告したのは 2016 年2月1日。 監視委が 「委員会調査」 を決定したのは、 わずか3日後の2月4日。 3月 24 日には違反認定を公表し、 「調査に5カ月近くを要し違反を認定できなかったのは遺憾」 と遺憾の意を表明している。 
 調査を引き延ばし、 組織的に隠ぺいをはかったのではないかという疑念がある。 また、 消費者庁が働きかけをして、 元課長補佐が顧問を退職したのは 2016 年5月 10 日。 これまでの期間、 意図的に行政処分を遅らせたのではないのか。 影響がないか検証する必要がある。 (続きは次号)

18:14
2019/07/08

日本消費経済新聞2269号(2019年7月5日発行)

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ジャパンライフ被害救済求める請願
9529人署名、今国会でも不採択
 衆議院消費者問題特別委員会は6月 25 日、 「ジャパンライフ被害者の会」 (佐藤良一代表) が 9529 人の署名を添えて提出していた 「ジャパンライフ被害者救済と再発防止を求める請願」 について、 採否決定を保留し審査未了とした。 採択には全会一致の賛成が必要で、 会期内に審査未了とされた請願は、 次期国会には引き継がれず、 事実上不採択となる。 ジャパンライフ被害者の会は昨年の通常国会にも、 5028 筆の署名を添え、 国による被害者への賠償を求める請願を行っており、 2回続けて不採択となった。(相川優子)

16:49
2019/06/18

日本消費経済新聞2267号(2019年6月15日発行)

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ジャパンライフ2回目の債権者集会
「高い交通費払って、無駄足だった」
依然、被害者への配当難しい
 磁気治療器の 「レンタルオーナー商法」 で高齢者らから多額の資金を集め、 2018 年3月に東京地裁から破産手続開始決定を受けた 「ジャパンライフ」 の2回目の債権者集会が6月4日、 東京地裁で開催された。 依然として、 被害者への配当は難しいとの破産管財人の説明に、 「高い交通費を払って、 無駄足だった」 「山口 (隆祥) 元会長が、 心身症を理由に欠席したのは、 誠意がない」 「被害者から集めた 2000 億円ものお金がどこに消えたのか。 納得できるものではない」 など、 失望と落胆の声が聞かれた。 交通費を払えない地元の被害者を代表してきたという参加者らは、 「高齢被害者の多くは、 ジャパンライフ社員に預金は 100 万円以下にするように言われ、 資産を全てつぎ込まされている。 年金だけでは預金が底をつき、 入院しろといわれても入院できない、 病院に行けない人が何人もいる」 「生活保護になった人もいる」 「もやしや納豆で暮らしているが、 30 円のもやしが高い。 もう猶予がない」 など、 高齢被害者の切実な状況を訴えている。(相川優子)

「預金底をつき入院できない」
「30円のもやし高い、猶予ない」
優先される給与・国税8.7億円
回収見通し額3.6億円
 被害者救済より優先して支払われる労働債権 (社員の給与や退職金) は、 前回の6.7億円から4.6億円に圧縮されたが、 同様に優先して支払う税金等の4.1億円と併せると、 8.7億円に上る。 これに対し、 現時点での回収額と回収できる見通しがある額は、 土地・建物の回収予想額が減ったことなどから、 4億円から3.6億円に減った。 「何万円もの交通費を払って来た。 配当できるのかできないのか。 後どのくらいかかるのか」 との被害者からの悲痛な訴えに対し、 破産管財人は、 「残念ながら、 配当にいけるかどうか、 現状では難しいとしか言いようがない」 と回答。 「1年から1年半は続く」 との見通しを示し、 「債権者に寄り添い、 労働債権や国税債権をできるだけ小さくし、 回収額を多くすることに全力を尽くす」 と話した。 
 債権者集会は非公開のため、 同日配布された資料を元に、 参加した弁護士、 被害者、 破産管財人に取材した。 債権者は、 給与未払いの社員 (労働債権) 600 人弱、 レンタルオーナーが国内約 7000 人、 香港約 400 人、 取引事業者など (一般債権) 1300 人とされているが、 被害者からの債権届け出は、 留保されたままだ。 破綻当時、 約 2000 億円 (長期 1400 億円、 短期 600 億円) のレンタルオーナー契約が結ばれていたことも明らかにされている。 
 債権者集会には約 200 人 (破産管財人による) が参加。 ジャパンライフの山口隆祥元会長は欠席した。 心身症のため1週間の自宅療養を要するという医師の診断書が、 前日に本人から提出されたと説明された。 

組織的犯罪で集めたお金
加害者側に優先して配るのか
 同日、 質問が集中したのは、 被害者より優先して支払われる社員の給与や退職金 (労働債権) についてだ。 
 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表の石戸谷豊弁護士は、 「組織的犯罪ともいうべき悪質な行為によって集められた資金を、 優先的に加害者側に渡すのは、 法律上許されるべきではない」 と主張した。 
 これに対し、 破産管財人は、 工場労働者や割賦販売契約など合法的な業務もあり、 一括して否定するのは無理があるとの見解を示している。 契約額の獲得、 解約阻止のための 「奨励金」 は対象にしておらず、 2017 年の行政処分 (レンタルオーナー契約に対するレンタル商品が大幅に不足していることを認定した2回目) 以降の奨励金については、 従業員のうち額の多い数十人に返還を求めていると説明している。 
 被害者からも多くの質問が出され、 「社員は十分な説明責任を果たさず、 商品を販売することも告げず言われるままに契約した。 いまだに納品されていない人も多い。 営業手当をもらっており、 遡って回収できないのか」 「自分は解約をして、 勧誘を続けた社員もいる」 「もっぱら違法な営業に従事した人もいるのではないか」 などの趣旨の発言があった。 破産管財人は、 情報提供があれば個別に検討すると回答している。 
 税金については、 粉飾決算で多く払った所得税もあるが、 消費税の脱税もあり調整中と、 破産管財人は説明している。 
 債権者集会後に会見を開いた全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の石戸谷代表は、 「税金については交渉中で、 減額された場合でも、 労働債権を否定しなければ被害者の配当に回らない」 と説明。 「組織的犯罪ともいうべき悪質な行為で被害者から集めたお金を、 加害者側に配るのが許されるのかというのが最大の問題」 と述べた。 

政治献金返還されるべき
1件、少額の返金あり
 ジャパンライフ被害対策秋田弁護団の近江直人弁護士は、 柿沢未途衆議院議員が政治献金を受けたと報道されている問題を受け、 債権者集会で 「犯罪収益を国政に使うのは公序良俗に反する。 政治献金は、 破産管財人に直ちに返還すべき」 と主張。 「返還の申し出があるか、 返還を求める考えがあるか」 を質問した。 
 これに対し、 破産管財人は、 「少額だが、 1件、 初期の段階で返還を受けている」 ことを明らかにした。 柿沢議員への対応、 政治資金収支報告書に氏名や住所を記載する必要がない 20 万円以下の政治資金パーティー券購入など帳簿上の記載などは、 今後検討、 調査すると説明している。 
 近江弁護士は、 債権者集会後の会見で 「山口元会長が出席していれば、 誰に政治献金をしたのか、 直接聞きたかった」 と述べた。 
 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会は同日、 「ジャパンライフから受けた政治献金は、 破産管財人に返金されるべき」 とする声明を出した。 石戸谷代表は、 「利益を生まず、 破綻を免れるために新たな犠牲者を出す商法であることが明らかになっているにもかかわらず、 政治献金を返金しないのはありえない」 と話した。 (詳細4面) 

63貸店舗の敷金返金18万円
不動産ほとんど銀行担保物件
 同日の債権者集会では、 以下の内容が報告された。 
 ジャパンライフ 80 店舗のうち、 賃借店舗 63 店舗は全て解約されたが、 回収できた敷金は約 18 万円に過ぎなかった。 賃料の未払いや原状回復費用など家主への負債の方が多く、 マイナスになっているものもある。 
 不動産は、 1回目の債権者集会以降、 鹿児島県霧島市の霧島全海水工場 (高額契約者が招待された霧島迎賓館含む)、 迎賓館 (東京都文京区関口)、 自社店舗など6物件が売却されたが、 その額は約1億 9000 万円にとどまった。 銀行の担保物件とされていたため、 銀行に返済した残りはこの額にしかならなかった。 前回約3.2億円とされた不動産の回収予定額は、 約2.6億円に減った。 
 2つの大きな販売代理店に残っていた商品は全て回収されたが、 2次被害が想定されるため販売はしない。 割賦販売などで販売されていた商品代金などの回収額も約 314 万円にとどまっている。 埼玉工場の機械や原材料は売却しても約 230 万円にすぎなかった。 前回の債権者集会以降回収された預貯金は 15 万円に過ぎず、 香港の回収予定額を含めても約 640 万円にとどまる。 
 親会社のジェイエル興産 (山口隆祥代表取締役) は、 2018 年 11 月 14 日自己破産による破産手続き開始決定を受け、 ジャパンライフとして7億 3700 万円の破産債権 (貸付金、 配当金返還) を届け出ているが、 現時点では回収の見通しは立っていない。 

元会長への違法配当1.3億円
回収の見通し「本人資産ない」
 訴訟は5件が提起され、 いずれも係争中だ。 本社自社ビル売却額のうち、 1億 3000 万円が送金された人物に対する訴訟は、 2月に全額破産管財人に返還する決定が行われたが、 異議の訴えが提起されている。 労働実態がないにもかかわらず、 給与を得ていた人物らへの 9400 万円の不当利得返還請求訴訟、 2010 年から 2015 年の間に、 山口元会長に約1億 3000 万円、 山口ひろみ元社長に約 4000 万円の違法配当があり、 他の役員を含めた約1億 9000 万円の返還請求訴訟などが提起されている。 
 このほか、 ジャパンライフの山口元会長と、 山口ひろみ元社長に対する70 億円を超える損害賠償責任の査定の申し立て、 徳田直人監査役に対する1億 8000 万円の損害賠償責任の査定の申し立てが行われている。 
 ジャパンライフ被害対策中部弁護団の杉浦英樹団長は、 山口元会長、 山口ひろみ元社長らに違法に支払われた配当の回収の可能性を質問している。 
 これに対し、 破産管財人は、 何度も山口会長に資産関係の質問をしているが、 そういう資産はないとしか回答されないと説明した。 
 昨年夫が他界したという高齢な女性が質問した 「昨年 12 月以降毎月 70 万円が半年以上入ってこず、 本当に困窮している。 払ってもらえないか」 という内容は、 預託商法被害の根深さと悲惨さを象徴している。

全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会
政治献金の返還求め声明
 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会は6月4日、 ジャパンライフから政治献金を受けた政治家に対し、 破産管財人への返金を求める声明を出した。 「ジャパンライフの預託商法は、 会社組織を乱用した詐欺行為に他ならず、 その被害は 1800 億円に及ぶ。 このような被害を原資にした政治献金を返金しないという対応は、 被害者だけでなくすべての消費者から不信を招くことになる」 としている。 「現状では被害者への配当がなされるか予断を許さない状況」 として、 「被害者のほとんどは高齢者で、 老後の生活資金を根こそぎ奪われ、 途方にくれている」 と訴えている。 
柿沢未途氏1940万円
「適切な対応考える」
 2010 年から 2013 年に、 柿沢未途衆議院議員が代表を務めていたみんなの党東京都第 15 区支部は、 ジャパンライフから 1940 万円の寄付を受けていた。 同政党支部は6年前に解散されている。 柿沢氏は本紙の取材に対し 「亡き父の信頼を引き継ぎ、 お付き合いをさせていただき、 ご支援をいただいた。 当然ながら、 政治家および政党への純粋なご支援でした。 今般、 当該企業および経営者が法執行機関の捜索対象となりました。 政治に携わる者として、 専門家とも相談して、 今後、 適切な対応を考えて参りたい」 と事務所を通して文書で回答した。 
下村博文氏10万円
ジャパンライフに返金
 2014 年 12 月 26 日、 下村博文衆議院議員が代表を務める自民党東京都第 11 選挙区支部が、 ジャパンライフから 10 万円の寄付を受けていた。 国会でもすでに追及されている。 
 この寄付について、 下村氏の事務所は、 「2017 年に報道で多数の被害者が出ていることを知り、 被害者救済に充ててもらうよう 2017 年 12 月 21 日付でジャパンライフに返金した」 と回答した。 パーティー券の購入を同社に依頼したことはないとも説明している。

17:14
2018/10/07

日本消費経済新聞2244号(2018年10月5日発行)

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名古屋地裁でジャパンライフ裁判始まる
被告側 請求棄却求め争う姿勢
 磁器治療器の預託商法を展開し、 破産開始決定を受けたジャパンライフ (東京都千代田区) との取引で多額の損害を受けたとして、 15 人が同社の会長らに約1億 4381 万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が 10 月2日、 名古屋地裁であり、 被告側は請求の棄却や却下を求めて争う姿勢を示した。(白井康彦)

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