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2020/10/19

日本消費経済新聞2311号(2020年10月15日発行)

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ジャパンライフ元山口会長3回目債権者集会
使途不明金、解明されないまま「終了」
配当総額202万円、配当率0.016%
 詐欺容疑で逮捕されたジャパンライフの山口隆祥・元会長個人の3回目の債権者集会が 10 月6日、 東京家簡地裁合同庁舎で開催され、 約 5500 万円の使途不明金が解明されないまま破綻手続きを終了した。 配当できる金額は、 回収できた約 1080 万円から滞納税金約 365 万円、 管財人報酬 493 万円、 事務費用などを差し引いたわずか約 202 万円。 配当率は 0.016%にすぎなかった。 届け出債権額は、 200 人分の約 129 億円。 金融機関等が中心で、 破産手続きで裁判が中断している係争中の被害消費者の債権が一部含まれている。 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の石戸谷豊代表は、 「使途不明金は 5500 万円以外にも相当あるはずで納得がいかない。 刑事事件の取り調べの中で、 闇に隠れたお金の流れが解明されることが必要」 と話している。 ジャパンライフの5回目の債権者集会は 12 月9日に開催される。(相川優子)

口座から引き出された6000万円
うち5500万円使途不明のまま
ひろみ元社長 破産手続廃止
配当できる財産なし
 ひろみ元社長の債権者集会も同時に行われてきた。 ひろみ元社長については同日、 配当すべき財産がないとして、 破産手続きを廃止した。 
 今年1月 28 日に開催された1回目の債権者集会で、 元山口会長の口座から約 6000 万円、 ひろみ元社長の口座から約 1800 万円が、 ジャパンライフが2度目の不渡りを出し銀行の取引停止処分を受けた 2017 年 12 月 26 日以降に引き出されていたことが明らかにされていた (2月5日号)。 当時は、 ジャパンライフ元取締役の安田真二容疑者 (詐欺容疑で逮捕) が社長となって立ち上げた 「健美学院」 (2018 年3月 16 日設立) の従業員の給与などに使ったと説明していると報告されていた。 
 しかし、 2回目の債権者集会 (今年6月 16 日) で、 破産管財人が調査した結果、 健美学院に使われた裏付けが取れた金額は、 山口元会長の 500 万円程度だった。 残りのお金が何に使われたのか、 山口元会長らが調査に協力せず、 使途不明とされていた (6月25 日号)。 
 同日の3回目の債権者集会後でも、 元山口会長の口座から引き出された 6000 万円のうち約 5500 万円、 ひろみ元社長の約 1800 万円についても使途は不明のまま。 破産管財業務を終了した。 回収された約 1080 万円は、 山口元会長が第三者に譲渡し、 別の第三者に売却された不動産の売却代金や和解金が大半を占める。 破産管財人から 「調査したが、 これ以上管財業務を継続しても、 さらに破産者の財産を集める見通しが立たない」 と説明されたという。 
 山口元会長は、 自身が所有する不動産を第三者に無償譲渡した事実があること、 ひろみ元会長も、 ジャパンライフ破綻後も8~10 万円の家賃に対し、 食費約 30 万円を支出したと説明したことなどから浪費があったとして、 破産管財人は 「免責不相当」 の意見を東京地裁に提出している。 
 債権者集会終了後に、 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会が会見して明らかにした。 同日の参加者は十数人だった。 
 同弁護団連絡会の石戸谷代表は、 債権者集会の中で 「長い悪徳商法の摘発の事例を見ると隠匿財産が海外にあるのがわかって還流してきた例もあるため、 刑事事件の進捗を見ながら、 継続してほしい」 と主張。 破産管財人から 「使途不明金とされてきた財産、 その他隠匿財産が分かればその段階で改めて手続きを取る」 と説明されたという。 
 石戸谷代表は 「お金の流れが解明されないまま、 こういう形で破産管財手続きが終了するのは、 非常に残念。 山口元会長の役員報酬は破綻直前でも月額 350 万円、 賞与は年間 1400 万円、 ひろみ元会長も月額 332.5 万円の報酬を得ていたわけで、 配当ができる状態ではないのに違法な配当も得ていた。 関連会社からの貸付金などいろいろな名目でお金が入っており、 これだけしかないのは全く納得がいかない」 と述べ、 合同捜査本部でのお金の流れの解明を求めた。 

山口元会長とひろみ元社長
破産手続き開始決定の経緯
 ジャパンライフ破産管財手続きの責任査定で、 山口親子が 68 億 8782 万円の損害を同社に与えたことが、 東京地裁で認定された。 これを踏まえ、 ジャパンライフ破産管財人が 2019 年7月3日に山口元会長に対し、 同年9月 11 日にはひろみ元社長に対し、 東京地裁に破産の申し立てを行った。 山口元会長は同年9月4日、 ひろみ元社長は同年 10 月9日に破産手続き開始決定を受け、 2人の破産管財業務が行われてきた。 債権者集会は2人同時に行われてきたが、 2回目の債権者集会後の9月 18 日、 詐欺容疑で逮捕され、 10 月8日には、 別の被害者への詐欺容疑で、 元幹部ら 12 人とともに再逮捕されている。 現在も拘留中だ。 

元役員2人の破産手続きも廃止
いずれも配当できる財産なし
 10 月7日には、 ジャパンライフ元役員の安田真二・元事業部長と松下正已・元総経理の2回目の債権者集会が、 それぞれ東京家簡地裁合同庁舎で開催された。 2人とも、 配当すべき財産がないとして破産手続きを廃止した。 
 免責については、 負債を免除して更生の道を歩ませるのが相当とするというのが破産管財人の意見だった。 これに対しては被害者の代理人らから反対意見が述べられ、 11 月9日までに意見書を提出し、 その後に裁判所が判断することとなった。 
 被害弁護団連絡会の石戸谷代表は 「2人は9月 18 日に詐欺容疑で逮捕されたばかりで、 破産手続きの廃止は早すぎる。 山口元会長の右腕となって違法なジャパンライフ預託商法を推進した元取締役2人が民事責任を免れるようなことがあっては到底、 被害者は納得できない。 免責不許可となるよう働きかけていく」 と話している。 
 役員責任の査定額は、 安田・元事業部長が 68 億 8782 万円、 松下・元総経理が 58 億 1500 万円。 2人とも 2020 年7月1日に、 東京地裁が破産手続きの開始を決定し、 同日1回目の債権者集会が開かれていた。

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