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2020/12/18

日本消費経済新聞2317号(2020年12月15日発行)

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ジャパンライフ5回目債権者集会
10.5億円消費税還付なお調整中
回収できた資産6.6億円に
 磁気治療器の販売預託商法で約 2100 億円の消費者被害を出した 「ジャパンライフ」 の 5 回目の債権者集会が 12 月 9 日、 東京地裁で開かれた。 回収できた資産は、 前回の 5.7 億円から 6.6 億円に増えたが、 被害者より優先して配当される元社員の未払い給与やボーナス、 消費税などが 7.4 億円あることは変わらない。 被害消費者約 7000 人のうち 750 人が契約解除手続を行ったことで、 破産管財人が還付申請をしている消費税 10.5 億円の扱いについては、 今なお調整中だ。 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の石戸谷豊代表は、 「組織的な犯罪行為に加担した加害者側に、 被害者の救済より優先して配当することは認めるべきではない」 と訴え続けている。(相川優子)

優先配当される元社員給与等7.4億円
「被害者にまず配当を」弁護団連絡会
顧問2人から90万円を回収
国税局との協議、最終段階
 債権者集会後に会見した弁護団連絡会が明らかにした。 残されていた仙台支店と広島支店の売却代金 8650 万円などが組み入れられた。 不動産の売却はこれで終了する。 違法配当された株主への訴訟で、 和解で 600 万円を回収。 同社の顧問に就任していた2人と和解契約をし、 90 万円が返還された。 
 労働債権については、 ノルマを達成したり、 解約を阻止したりした場合に営業社員に支払われた報奨金について、 新たに2人と未払い賃金との相殺合意をし、 200 万円が減額された。 これにより 18 人分、 1500 万円が減額された。 
 東京国税局に還付申請を行っている消費税 10.5 億円については、 協議中で最終段階にきていると報告されたという。

見つかった現金6000万円
予納金追加で破産管財業務継続
 破産管財人が破産申立をしていた元会長山口隆祥被告 (78) =詐欺罪で起訴=個人の破産手続き終了に伴い、 123 万円を回収した。 その後、 警視庁など合同捜査本部の捜査で現金 6000 万円が見つかったことから、 破産申立予納金 1600 万円を追加納付し、 このお金が山口元会長のものかなどを調査し、 破産管財業務を継続する。 
 元山口会長が代理人を通じて、 預金口座から引き出したお金をつぎ込んだと説明されていた健美学院は、 事業が中止され資産も散逸し、 通帳等も捜査で押収され、 めぼしい財産はなかったと報告された。 
 参加者は 20 人程度。 被害者本人の参加は少ない。 85 歳の母親の代理で参加したという男性から本人が亡くなった場合の質問が出され、 「権利は相続人に引き継がれる」 と回答されたという。 石戸谷代表は、 「被害者は高齢者がほとんどで、 1、 2年が若い人とは違う重みがある。 国税当局は、 破産管財人からの消費税還付請求に対して、 速やかに還付して被害者への配当が可能になるよう対応すべき」 と述べた。 
 弁護団連絡会では、 引き続き、 被害者に対し契約解除を呼びかけている。 
 ジャパンライフ被害者の会の佐藤良一代表は 「被害者の多くは高齢で、 亡くなる人が増えている。 先が見通せず節約をしすぎて、 栄養失調で亡くなった人もいる悲惨な状況がある。 少しでも早く返金につなげてほしい。 連絡が取れる被害者は一部に過ぎず、 顧客の情報をいただければこちらから契約解除を呼びかけたい」 と話している。 
 破産管財業務は最終段階に入っている。 消費税が還付されるかどうかが大きな焦点だ。 還付されれば、 債権届出や債権調査が始まる可能性が出ている。 
 次回6回目の債権者集会は、 2021 年 7 月 28 日(水)14 時から、 同日と同じ東京地裁民事第 20 部債権者等集会場Ⅰで開催される。

元店舗責任者ら13人書類送検
「厳正な処分を」弁護団が声明
 警視庁と5県警の合同捜査本部は12 月7日、 ジャパンライフの元エリアマネージャーや店舗責任者ら 25 歳から 54 歳の 13 人を、 詐欺容疑で東京地検に書類送検した。 ジャパンライフ被害弁護団連絡会はこれを受け、 東京地検に厳正な処分を行うよう声明を出した。 
 責任を明確にすることが被害者救済に資するだけでなく、 今後、 この種の犯罪行為に安易に加担する風潮に警鐘を鳴らすと指摘している。 
 また、 被害弁護団連絡会は、 ジャパンライフの実態は、 法人の形態を乱用した犯罪組織と主張してきた。 今回の書類送検で、 組織的な犯罪がますます明確になってきたとしている。 破産手続きで労働債権を優先するのは問題があると訴え、 労働債権を立て替え払いした独立行政法人労働者健康安全機構の請求も認められるべきではないと主張している。

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