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2021/02/08

日本消費経済新聞2321号(2021年2月5日発行)

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ジャパンライフ被害者救済へ
立憲民主党と社民党が提言
 立憲民主党と社会民主党は1月 22 日、 ジャパンライフによる約 7000 人、 約 2000 億円の消費者被害救済に向け、 同社が国に支払った消費税の還付や、 被害救済制度の見直しなどを、 井上信治消費者担当相に提言した。 特定適格消費者団体が確実に被害救済できるよう仕組みを見直し、 加害者側企業が持つ被害者名簿の開示や、 連絡や広報の費用負担を事業者側に転換させることなどを求めている。 消費者被害の損害賠償請求権が優先されない課題や、 被害救済のための新たな仕組みの創設についても検討を求めている。(相川優子)

国に支払った消費税還付を
被害者名簿開示へ検討を
 同日、 立憲民主党の宮沢由佳衆議院議員 (消費者部会長)、 柚木道義衆議院議員 (消費者部会事務局長)、 川内博史衆議院議員、 尾辻かな子衆議院議員と社民党党首の福島みずほ参議院議員 (元消費者担当相) が、 井上消費者担当相を訪ね、 提言書を手渡した。

回収資産6.6億円、元社員未払給与7.4億円
還付申請中の消費税10.5億円
 東京地裁がジャパンライフの破産手続き開始決定をしたのは 2018 年3月1日。 全国ジャパンライフ被害対策弁護団連絡会が、 被害者による破産申し立てを行い、 ようやく被害が止まった。 
 以後3年近い破産管財業務が行われてきたが、 5回目の債権者集会 (2020 年 12 月9日) で報告された資産の回収額は、 わずか 6.6 億円に過ぎない。 これに対し、 被害者より優先して支払うべき元社員の未払い給与やボーナス、 消費税などが 7.4 億円ある。 約 7000 人の顧客のうち、 約 750 人が約 230 億円分の契約解除を申し出たことで、 破産管財人が東京国税局に対し、 消費税 10.5 億円の還付申告をしている状況だ。 
 これが、 還付されれば、 わずかではあるが被害者に配当される可能性が出てくる。 「組織的な詐欺で、 被害者より加害者側の元社員への支払いが優先されるのはおかしい」 と、 全国ジャパンライフ被害対策弁護団連絡会の石戸谷豊代表は、 訴え続けている。

預託法改正は必要だが
被害救済面でも対応必要
 立憲民主党の宮沢消費者部会長は、 「悪質な消費者被害を2度と起こさせないための法改正はしなければならないが、 販売実態がない場合の消費税の還付など被害救済面でも政府として最大限の対応をすべき」 と要請した。 
 柚木事務局長は、 「立入検査や業務停止命令など運用面でも抜本的な見直しも重要」 と指摘。 「消費者庁は 4 回も業務停止命令を出したにもかかわらず、 被害を止めることができなかった。 安倍晋三前首相の桜を見る会招待状や加藤勝信官房長官が広告塔として利用され、 消費者庁、 内閣府、 経済産業省の官僚がジャパンライフに天下っている。 過去の検証を前提に法案審査をしなければ、 実効性が上がらない」 と述べた。 川内氏も、 「本来、 立入検査すべきものが文書指導に代わった経緯を再調査して明らかにすべき。 磁気治療器を預託法の適用対象に加えるときの事業者ヒアリングなど、 経緯が全く開示されていない」 と、 検証を求めた。

1人約2000万円の被害
お金全く戻っていない
 社民党の福島党首は 「ジャパンライフがこれほど問題にならなければ、 預託法は改正されなかったのではないか。 逆に言えば、 とっくにやらなければならないことを、 放置してきたとも言える」 と述べ、 ジャパンライフ問題への責任ある報告が審議の前提と強調した。 加えて、 「被害が分かったときには、 お金がなくて (資産が散逸して)、 救済ができない」 と、 救済のための仕組みの検討を求めた。 
 立憲民主党の尾辻氏は 「被害者は、 1人当たり 2000 万円近くを預託商法で奪われ、 だまされた方が悪いと泣き寝入りしている。 東日本大震災の補償金が狙われた。 預託法改正で販売預託取引を禁止することは評価したいが、 全然、 被害者にお金が戻っていない。 だまされた方が悪いのではなく、 だます方が悪い。 被害救済まで考えなければならない」 と、 被害の再発防止にとどまらない被害救済に踏み込んだ対策の検討を求めた。 
 提言書を受け取った井上消費者担当相は 「販売預託については原則禁止にする法案を準備している。 今国会で成立できるようご協力いただきたい。 消費者裁判手続き法については、 3年の見直し期間は過ぎ、 早く見直しに着手したいと思っているが、 訴訟件数が少なく、 訴訟の状況を見据えながら検討し、 対応を考えたい」 と答えた。

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