日本消費経済新聞は、生活者優先時代を実現するため、消費者行政、消費者問題、企業の顧客対応の情報を全国に発信する専門紙です
 

2021/09/28

日本消費経済新聞2342号(2021年9月25日発行)

Tweet ThisSend to Facebook | by:管理者
ジャパンライフ元山口会長初公判
「起訴事実全部認める」
 詐欺罪に問われたジャパンライフ元会長、 山口隆祥被告 (79) の初公判が9月 22 日、 東京地裁 (浅香竜太裁判長) であった。 山口被告は 「起訴事実は全部認める」 と起訴容疑を認めた。 検察側から、 2017 年7月には、 預かり商品の額は 575 億円を超えていたにもかかわらず、 支払い原資は8億円しかなく、 1.76%の人が解約すれば支払える状態になかったことを認識していたにもかかわらず、 そのことを隠して契約をさせたことや、 自らメールで返金の撤回や返金を求める顧客にリース債権への切り替えを勧める指示をしていたことなどが明らかにされた。 被害者の供述調書から、 「朝から晩まで畑を耕して貯めたお金をだまし取られ、 許せない」 「憎くて忘れることができない」 など、 被害者は一様に厳罰を求めていることも報告された。 消費者庁から顧客に送付するよう指示された文書が顧客に届かないよう送付先を選別したり、 文字を薄くするよう被告から指示されたという元社員の供述があることも明らかになった。(相川優子)

1.76%解約すれば支払えない状況認識
自ら返金撤回、リース債権への切り替え指示
 ジャパンライフは、 磁気治療器の販売預託商法を展開し甚大な消費者被害を出したが、 詐欺罪に問われているのは、 消費者庁が業務停止命令を出した後に同社が販売した業務提供誘因販売取引とリース債権譲渡契約。 2017 年7月以降に業務提供誘因販売名目で、 2017 年 11 月以降にリース債権譲渡取引名目で、 事業収益で配当できる見込みがないにもかかわらず、 財政基盤は安定していて、 いつでも解約でき全額元本を支払うとうそを言って誤信させ、 20 人から約1億 6500 万円をだましとった罪に問われている。 
 同日、 山口被告は手錠をした手に補聴器を持って入廷した。 
 検察官が起訴状を読み上げた後、 証言台に立った山口被告は、 「文章を書いてきたので、 読んでいいか」 と問い、 持ってきた紙を読み始めた。 
  「起訴事実は全部認めます」。 冒頭、 こう発言した後、 「人々の健康と豊かな暮らしのために磁気治療器を開発して、 1974 年にジャパンライフを創立した」 「お客さんだった力のある人たちが事業者となり、 磁気治療器の良さを身を持って体験して、 知人を紹介するビジネスを展開した」 などと持論を展開。 「詐欺目的で始めたものではないことを理解してほしい」 と主張した。 
また、 「消費者庁の業務停止命令で売り上げが低下したが、 業務提供誘因販売やリース債権譲渡契約に変えれば、 売り上げが回復すると思い、 この状況を顧客に説明せずに事業を続けたことでこのようなことになった。 心からお詫びする」 と語った。

消費者庁の指示文書
文字薄く、送付先選
 検察官の冒頭陳述の中で、 「2017 年7月には、 預かり商品の額は 575 億円を超えていたにもかかわらず、 支払い原資は8億円しかなかった」 「1.76%の人が解約すれば支払える状態になかったことを認識していたにもかかわらず、 これを隠して業務誘因販売やリース債権譲渡契約をさせ 20 人の顧客から約1億 6500 万円をだましとった」 「社員に返金申請を撤回させるように指示しただけでなく、 奨励金を出していた」 「毎月 350 万円の役員報酬を得ていた」 ことなどが指摘された。 
 山口被告が、 返金の撤回を指示したメールや、 返金を求める顧客にリース債権への切り替えを勧めるメールなども証拠として提出された。 2008 年3月に辞任した監査役の意見に被告が耳を貸さなかったことや、 消費者庁から顧客に送付するよう指示された文書が顧客に届かないよう送付先を選別したり、 文字を薄くするよう指示されたと当時のお客様相談室長が証言していることなども明らかにされた。

「許せない」「憎くて忘れられない」
被害者供述 一様に厳罰求める
 また、 検察側が同日提出した被害者の供述調書から、 「業績が好調と言われ信じて大金を支払った。 お金が支払われる見込みがないと分かっていたら支払っていない」 「朝から晩まで畑を耕して貯めたお金をだまし取られて、 許せない」 「1円も返ってこないまま夫はなくなった」 「あのお金があれば悠々自適の生活ができていた」 「憎くて忘れることができない」 など、 被害者の声が報告され、 被害者は一様に厳罰を求めていることが明らかにされた。 
 全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会の石戸谷豊代表は、 「これまでの経緯から、 起訴事実を認めたことには、 驚いた。 申し訳ないという気持ちがあるのであれば、 お金の流れを包み隠さず、 すべて明らかにしてほしい」 と話している。

16:18