日本消費経済新聞は、生活者優先時代を実現するため、消費者行政、消費者問題、企業の顧客対応の情報を全国に発信する専門紙です
 

2018/01/26

日本消費経済新聞2221号(2018年1月25日発行)

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「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」発足
被害者による破産申し立てへ
 消費者庁から 4度の業務停止命令を受け、 事実上倒産状態にあるジャパンライフ (千代田区、 山口隆祥会長) による被害救済に取り組むための全国組織 「全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会」 (石戸谷豊代表) が1月 20 日、 立ち上がった。 被害回復のための資産の散逸防止には破産申告が最も有効として、 被害者による破産申し立てに向け、 全国で足並みをそろえて行動していくことを決めた。 全国各地での弁護団の立ち上げを進め、 当面は弁護団連絡会と先物取引被害全国研究会が連携しながら、 資産の散逸防止や責任追及のための検討を急ぐ。(相川優子)

資産の散逸防止、責任追及
全国で連携して対応検討
 ジャパンライフは、 100 万円から 600 万円の磁気治療器のレンタルオーナー商法 (預託商法) を展開し、 販売価格の年6%を還元するとして、 高齢者らから多額の資金を集めてきた。 レンタルしているはずの商品が大幅に不足しているとして、 消費者庁から業務停止命令を受けた後も、 商品を試着して宣伝する活動手当、 リース債権譲渡などに年6%の名目を次々変更し、 同様の契約を繰り返してきた。 
 ジャパンライフ被害対策弁護団は、 中部、 神奈川、 福井、 秋田、 岡山、 広島、 兵庫、 東京の8つが組織されている。 弁護団がない地域でも悪質投資被害の救済に取り組む 「先物取引被害全国研究会」 (大植伸代表幹事) の弁護士が、 相談窓口機能を担っている。 
 同日、 ジャパンライフ被害対策中部弁護団 (杉浦英樹団長) の呼びかけで、 ジャパンライフによる被害の救済に取り組む全国の弁護士約 20 人が名古屋市内で、 会議を開いた。 
 杉浦団長は、 昨年8月に実施した 110 番では相談が1件に過ぎなかったが、 9月末に弁護団を立ち上げてホームページで呼びかけ、 12 月 20 日に異例の刑事告発に踏み切ったことで、 12 月 25 日の 110 番は電話が鳴りっぱなしで対応しきれない状況になったと、 報告した。 各地の弁護団や先物取引被害全国研究会が実施したジャパンライフ全国一斉 110 番には、 679 件の相談が寄せられ、 ようやく深刻な被害実態が表面化してきた。 

「老後の資金、生活費ない」「死にたい」
深刻な被害実態ようやく表面化
  「預金や保険を解約して老後の資金をすべてつぎ込み、 生活費がなくてどうしていいかわからないなど、 深刻な相談が多い」 「中間勧誘者がどうしてくれるんだ、 金を返せと責められ、 昨日お風呂で亡くなっていたという悲惨な状況もある」 「ジャパンライフに勤務するシングルマザーは給与のほとんどをジャパンライフにつぎ込まされ、 何度も死にたいと繰り返し、 長時間説得した」 など、 深刻な相談内容が報告された。 
 契約額も最高額は6億円と高額。 70 歳、 80 歳代の高齢者がほとんどで、 90 歳を超える人の相談も寄せられている。 わずか半年で 1000 万円を超える契約をさせる、 4度目の業務停止命令を受けた 12 月 15 日に契約をさせているケースもあった。 
 東京弁護団には多くの相談が寄せられているが、 地方からの相談がほとんどで、 被害者を直接抱える状況に至っていない。 被害者が地方に偏り、 各地の弁護団で取り組みに差があることから、 全国組織は弁護団連絡会とした。 情報を共有し矛盾がないようかじ取りをしていく。 
 破産申し立ては、 ジャパンライフ本社がある東京地裁に行うことになるが、 破産を申し立てる被害者をどう募り、 東京地裁が決定する予納金をどう確保するかが課題だ。 
 2009 年に破綻した L&G (円天) は被害総額 1260 億円、 債権者数約3万 7000 人だったが、 会社に対する破産申し立てのための予納金は 2000 万円 (別に個人に対する破産申し立ても行われその予納金は 1000 万円) とされた。 ワールド・オーシャン・ファーム (08 年、 被害総額 849 億円、 1500 万円)、 近未来通信 (07 年、 被害総額 400 億円、 3000 人) は 1000 万円だった。 
 ジャパンライフは負債総額約 2400 万円超とされ、 予納金は数千万円になると見られる。 国が費用を立て替える 「国庫仮支弁」 の制度もあるが、 この制度が適用された先例は、 現金・預金の差し押さえがはっきりしていた1件にとどまる。 
 ジャパンライフの不動産は、 税務署や厚生労働省などの差し押さえが進んでいるが、 その直前に会社名義の不動産を売却し、 親族の別会社に所有権を移転させている情報なども弁護団に寄せられている。 
 事務局長を務める大迫恵美子弁護士は、 「被害者の受け皿になることを最優先で進めるが、 財産の散逸をどれだけ防ぐことができるのか。 どうやって、 真の責任者の責任を追及できるのかが最大の課題。 被害者が一番納得できる最適な方法を検討していきたい」 と話している。

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